自立した政治家を育てるのは、自立した国民

わたしが小沢一郎氏に興味を持ったのは、陸山会事件で検察が偽の口述調書を作ったのを知ってからだ。実は私の母は飲酒運転による交通事故に遭った。相手に誠意がなく民事裁判にまでなった。裁判後に口述調書を見て驚いたことに署名したものと内容が変わっていたのである。内容も短くなっていた。調書は警察の取調官が口述をもとに筆記していく。本人が書くのではないため、途中を書き換えることもできる。信号をめぐり争っていたが、一方的な目撃証人しか立てられなかった。そのうち一人は供述を変えようかともちかけてもきた。相手の加害者が地元の大企業の社員だったからこうなったのだろうか。口述調書が書き換えられることは陸山会事件だけではない。自分たちの身近なところでも起こる問題である。これで、一方的に小沢氏を批判する報道に疑問をもち、何が起きているのか情報を集めるようになった。
実はわたしは政治的立場を表明はできない。そのため政治に関する記事は時期が来れば削除する。それにもかかわらず小沢氏の問題に興味を持つ理由である。

ところで小沢一郎氏ら消費税増税反対・原発再稼動反対で離党した49人衆参院議員の処分が除籍と決まった。これで、49人には一人当たり約500万円の政党助成金が出ないことになった。それでも決意の変わらない彼/彼女らは潔い。また支持団体の連合の支持も得られなくなったため、事務所スタッフが辞めた議員もいるようだ。このような逆境のなか、初め52人が離党届を小沢一郎氏に預けていたが、3人の男性議員が離党を撤回した。ひとつの傾向として、女性議員の方が潔いようだ。
この潔さはけっして「ひよこ」ではない。彼女たちが強い信念で動いていることが分かる。しかも口先だけではない。個々の課題のほかに反原発運動にも積極的に参加している。小沢氏がかかわると何でも辛口になる論評は「一年生」「ひよこ」と蔑むが、彼女たちは行動的であり、国民の声に貪欲である。けっして小沢氏に盲従しているのではない。彼女たちへの質問は「小沢氏に付いていくのか」というものばかりで、「小沢氏に盲従している」というイメージを作り上げたくて質問しているようだ。
わたしたちは情報手段の発達で、個々の議員の活動を知ることができるようになった。Twitterで生の声が聴けるようになった。ひいきの政治家を国民が育てる時代になったのではないだろうか。今回民主党を離党した議員だけではなく、ひいきを見つけたら個人献金で支えるのも政治に参加するということだろう。私たち国民の1000円からのカンパで、自立した政治家を育てられよう。そうすれば、日本の政治も国民の声を聴くようになろう。
そういえば、フランス革命でもロシア革命でも女性のデモが大きなきっかけになった。日本でも初の本格的政党内閣である原敬内閣は、「越中女房一揆」とも呼ばれる米騒動をきっかけに誕生した。何か一大事をしようとするなら、女性を味方にすると心強いことが確認できた。
報道では除籍で政党助成金が出ないと報じていていたのは、離党組を揺さぶるためだったのだろう。しかし、これで小沢一郎氏がお金に汚くないことが逆に証明されてしまった。物事は多面的であり、意図した結果にはつねに意図しない結果がついて回るものである。

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