講演会準備のお知らせ

歴史を学ぶことで、わたしたちは自らを知り、現在直面する問題の解決の糸口を発見できます。昨今の問題もその起源は歴史にあります。そこで、歴史認識の深化を身近な系譜伝承の研究から始めるため、系譜学を立ち上げます。自らの系譜伝承で新たな歴史的事実が掘り起こされれば、最新の歴史研究の成果を自分に身近なものと感じられるでしょう。そこで、講演会再開の準備を進めます。

わたしは現在、室町期の資料から佐々木一族を掘り起こす作業を進めています。佐々木大原氏に関する論考はそこから生まれたものです。さらに京都や関東を中心とした研究調査だけではなく、都道府県史や市町村史など地方史から佐々木一族を掘り起こす作業に進みます。さらに系譜学の講演会を通して系図や系譜伝承を収集できれば、地方史以上の地方史を掘り起こせるでしょう。

しかし佐々木六角氏系図や永原氏系図の論考でも明らかなように、地方史にも誤りがあります。さらに高島七頭研究でも分かるように実証歴史学にも誤りはあります。それは系譜学が学問として確立していないために、系譜伝承の分析方法が確立していないためです。

だからといって、ただちに実証歴史学を否定することはできません。一般的には新しい発想は専門家よりも素人の方あると思われがちですが、実は素人のアイデアは最先端を知らないために、古いものであることが多いのです。新しい発想は素人や専門外の見方を専門家が形にしたときに初めて可能です。

系譜伝承を歴史資料にしようという動きは、実は専門外の見方を導入するということでもあるのです。そのためにも系譜学にはそれを評価する専門家を必要とするのです。これが系譜学を立ち上げる理由です。もちろん系図伝承はそのままでは歴史資料にはなりませんが、それを解釈学的・考古学的に分析することで、そこから歴史を発掘することができます。地方史の発掘から地域振興につながることもあるでしょう。そこで、みなさんから多くの系譜伝承を教えていただきたいと思います。これが系譜学を立ち上げ、皆さんの参加を呼びかける理由です。

このような趣旨に御賛同いただける方は、メールで御連絡願います。すでに研究助成を頂いている方には、わたしからメールで御案内させていただきます。

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